ABOUT

概要

将来の電力
システムの
計画と運用
を支える

電力システムは、多数の発電機が電力ネットワークを介して協調をとりながら、需要家に電気を送り届ける非常に複雑なシステムです。これまで電力技術者は、電力システムに潜在する様々な不安定要因を工学的に解析し、安定な運用ができるように電力システムの設計・運用を行ってきました。
概要で述べた通り、近年、脱炭素化や社会的要請に対応して、電力システムに本質的な変化が生じてきており、この流れは益々拡大していくことになります。既に、太陽光発電や風力発電のようなインバータ型の電源が従来の電源に置き替わることによって、電力品質の悪化や新たな不安定性の存在が指摘されています。
SHIN系統では、「変化し続ける電力システムの課題を特定し、これを解決するための研究開発を行い、根拠に基づく定量的な検討・結果の提示によって安定運用実現に貢献できる人材の育成」を念頭に、諸活動を進めていきます。

COMPASS

SHIN系統コンパス

SHIN系統の道標

目標・分析・実践

電力システムの変化していく方向を予測し、
必要となる研究開発や定量的解析を実行する
ために求められるスキル・ツールを示します。
これらにチャレンジするテーマ設定と人材育成の
ガイドとしていきます。

SHIN系統の意味

どのような感覚・趣・心持で「系統」に向き合っているかを表現する漢字一文字を“SHIN”にあててみましょう。
参加者が「系統」への想いを込めるためのシンボルです。

MESSAGE

代表挨拶

現代社会に不可欠なエネルギーである電気は、約一世紀をかけて先人の弛まぬ努力によって構築されてきた電力システムによって、私たちに送り届けられています。しかし世界は近年、脱炭素化のために、従来の火力発電に用いられている同期発電機に替えて、太陽光発電や風力発電などのインバータを介して電力システムに接続される、全く性格が異なる電源を主力にしていこうとしています。その状況が顕著な国や地域では、これまでの電力システムでは起こることがなかった電力品質の悪化や不安定現象が顕在化してきており、これに起因する停電も発生しています。将来の電力システムにおいて、少なくとも現状と同等の信頼性を確保するには、系統安定性の確保や電力システムの運用・保護に関する新たな枠組みを構築することが求められているのです。

一方、人材面に目を向けてみると、これまで電力システムの計画・運用を牽引してきたベテラン層が引退期を迎えていることに加え、次世代を担う若手層の不足が叫ばれており、電力システムを支える最も重要な地盤が危うくなっている現実があります。

このたび、こうした認識を共有する研究者・技術者と共同で、NEDO特別講座の一つとして、「将来の電力システムの計画・運用を支える人材育成」をスタートさせることとしました。本特別講座は、将来の電力システムの安定運用に必要な課題を特定し、その解決に不可欠な系統工学および解析技術のスキル・ノウハウを有する研究者や技術者を持続的に育成・輩出するための活動基盤の構築を目指すものです。

この取り組みのニックネームを、”SHIN系統”としました。参加いただく方々が、どのような感覚・趣・心持で「系統」に向き合っているかを表現する漢字一文字を“SHIN”にあてていただき、「系統」への想いを込めて共通の目標に向かって力を合わせていただくためのシンボルとしての期待を込めました。

趣旨に賛同いただける多くの方に集っていただき、活力あるコミュニティの形成を通じて持続的に人材を育成し、将来の電力システムをゆるぎないものにしていこうではありませんか。”SHIN系統”へのみなさまのご参加をお待ちしております。

石井教授の写真

石井 英雄

早稲田大学研究院教授・
スマート社会技術融合研究機構事務局長

経歴

早稲田大学研究院教授・スマート社会技術融合研究機構事務局長。
1988年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了、東京電力入社。
R&Dの企画、 再生可能エネルギーの制御、ディマンドリスポンス等を担当。
2014年より現職。
バーチャルパワープラント構築、卓越大学院プログラム
「パワー・エネルギー・ プロフェッショナル」等に従事。
博士(工学)。